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誰にでも分かる!小説同人誌を作るときに必要な誌上の空間について

ここうさ
ここうさ
ねぇそこくま……小説って、文字のない場所あるよね?
そこくま
そこくま
もちろんあるけど、どうしたの?
ここうさ
ここうさ
見てたんだけど、こんなにいるのかなって。
そこくま
そこくま
それじゃあ今回は、文字のない場所「余白」について、秘密を掘りかえします!

今回分かること

  • 誌面の構成
  • 余白の必要性
  • 必要な余白の量

余白の量をマスターして、読みやすい小説同人誌を作りましょう!

誌面(きみ)の名は……?

そこくま
そこくま
余白にはそれぞれの部分に名前が付いてます!
ここうさ
ここうさ
「ヨハク」がより細かく分かれるってこと?
そこくま
そこくま
そうそう!
「版面(はんづら)」っていう場所と余白で、小説同人誌の誌面は構成されます。

余白はぜんぶで4種類。

本の上の方を天、下の方を地、開く方を小口、閉じている方をノドと呼びます。

天と地が必要なワケ

ここうさ
ここうさ
どうして「テン」と「チ」にスキマがいるの?
そこくま
そこくま
ギリギリいっぱいまで文字があったら、見た目のバランスが良くないからですね。
ここうさ
ここうさ
バランスか……。
そこくま
そこくま
それに、天と地がなくてギリギリまで文字だったら……
ここうさ
ここうさ
だったら?
そこくま
そこくま
柱やノンブルを入れる場所もなくなってしまいます。

柱は誌名や章立ての目安、ノンブルはページ数のこと。

「今、どこを読んでいるのだろう?」が分かるための大切な目安です。

そこくま
そこくま
「柱」や「ノンブル」を「版面」とバランス良く配置するために、天と地の余白は必要なんです。

小口が必要なワケ

では、小口はどうでしょうか。

ここうさ
ここうさ
いらない……?
そこくま
そこくま
ところがどっこい。
小口も大切なんです。

理由は、本(同人誌)を作る工程に秘密があります。

本の形になった最後に、小口をそろえて切り落とす作業があるんです。

ここうさ
ここうさ
切り落とすの!?
そこくま
そこくま
でないと、小口がツルッとキレイに揃わないからね。

切り落とす過程で「ちょっとズレちゃった」りしても大丈夫なように、最低でも3ミリ、小口は余白部分を作りましょうね。

そこくま
そこくま
それに、本を持って読んでいるときに、指が文字にかかって読みにくいのも防げます。

ノドが必要なワケ

そこくま
そこくま
たとえばここうさ、ペラペラの数枚の紙じゃなくて、分厚~い本だとしたら、この「ノド」の部分はギュッと綴じられるわけだけど。
ここうさ
ここうさ
ぎゅっ……あ、見えなくなっちゃう!

そうなんです。
ノドは厚めの本だと15ミリ以上あった方がよくて、20ミリくらいあると安心な感じです!

版面の中は自由でいいの?

ここうさ
ここうさ
それじゃ、文章が入るところは好きに決めちゃっていいのかな?
そこくま
そこくま
もちろん同人誌だからどんなに好きに作ってもいい!
いいけど、でも……
ここうさ
ここうさ
でも?
そこくま
そこくま
せっかく作るんだから、誰かに読みやすく読んでほしくない?
ここうさ
ここうさ
読んで……ほしいです……!
そこくま
そこくま
もちろん、ガッチガチに決まってるわけじゃないから、泣かなくてもいいですよ~。

行間と文字間の決め方

文章を書くときには、行と行の間や文字と文字の間にも空間がちょっとだけできます。

そこくま
そこくま
この空間がないと、ギッチギチのギュウギュウになっちゃいます!

読みやすさについても、この行間と文字間のバランスは本当に大切なんです。

①【文字サイズ24Q/行間24H/文字間0】

②【文字サイズ24Q/行間40H/文字間0】

③【文字サイズ24Q/行間22H/文字間200】

ポラーノの広場/宮沢賢治

そこくま
そこくま
ここまでぜんぶ同じ文章で、同じ文字の大きさで、同じ縦書きです。
ここうさ
ここうさ
ウソでしょと思ったけどホントっぽい。
最後のめっちゃ読みにくい!
そこくま
そこくま
自由でいいんだけど、本当に好き勝手にしたらすごく読みにくくなることもあるから、気をつけましょうね。
ここうさ
ここうさ
具体的に!数字で!教えて!!
そこくま
そこくま
行間は文字の大きさの1.5倍~2倍(文字含む)が読みやすいとされています。

なので、たとえば。

文字サイズ 行間
12Q 18~24H
8pt 12.7~17pt

そして、基本的に小説の文字間は、原稿用紙のマス目にぴったり納まる感じで文字を並べて、マス目とマス目の間の距離は「0」に設定します。

これを、「和文等幅」もしくは「ベタ組」と呼びます。

そこくま
そこくま
小説などの長文で使うのは、文字の縦と横が揃うので、見ている感覚が一定のリズムになるため、ストレスなく長文を読むことができるからです。

反対に、文字の間を詰め気味にして誌面を構成するのを「ツメ組」と呼びます。

行間や文字間は、ギュッと密集しているのも読みづらいけれど、広ければ広いだけ読みやすいわけではありません。

読みやすいかどうか、プリントアウトしてチェックしてみるのもおすすめです。

そこくま
そこくま
家にプリンターがなくても、コンビニプリントで試せますので、ぜひチャレンジしてみましょう!

まとめ

今回は小説同人誌の「読みやすい」誌面を作るための余白についてまとめました。

必要最低限だけではなく余白が必要なのは、同人誌を読むときの読みやすさの決め手にもなります。

天と地 柱(誌名や章題)とノンブル(ページ数)が入る場所を確保
小口 切り落とすときの余裕、最低3ミリ以上を確保
ノド 厚めの本なら15ミリ~20ミリほしい
行間 文字サイズ×1.5~2倍=行間
文字間 ベタ組(原稿用紙のマス目に入るように文字を並べる形)で「0」
ここうさ
ここうさ
これで読みやすい小説同人誌ができる……!
そこくま
そこくま
余白、いらなくなんかなかったでしょう?
ここうさ
ここうさ
すっごい大事だった!
目からウロコぽろぽろ!
そこくま
そこくま
必要ないものは生き残ってないんだと思います~

読みやすい、読んでいて疲れない小説同人誌を作るために、適切な余白を確保して、誌面を作ってくださいね。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!