本文を整えていくために、まず「本のしくみ」についてお伝えしますね。
今回分かる内容はこちら
- 本のしくみ─各部分の呼び方を知る
- どの部分が「かならずいる」のかを知る
なにより、印刷会社のホームページの読み解きや印刷会社の担当者との会話がスムーズになりますよ。
ぜひ覚えていってくださいね!
本のしくみ─外見

本を外側から見た場合の、各部分について大解剖!
それぞれの部分の呼び方を紹介します。
表紙1-4

- 写真の①の部分、「表紙」とふだん呼んでいる部分が、表紙1(表紙1ページ目)
- 写真の②の部分、「裏表紙」が表紙4(表紙4ページ目)
本文が縦書きの場合は、開いて外から見たときに、左側が1、右側が4です。
この同人誌は縦書きなので、①の場所が「表紙1」になります。
本文が横書きの場合は逆で、開いてみたときに右側が1、左側が4になります。
本文とは別に作るから、1〜4までのページの名前がつけられています。
表紙1-4の実際の作り方は、ステップ3で紹介します!
背表紙

- 写真の③の部分の呼び方は、背表紙。
- 写真の④の部分、背表紙の横幅は、背幅(せはば)。
表紙1-4にはさまれている部分で、本の作り方によっては「作らなくていい」場合もあります。
平とじ(平綴じ)
- 背表紙があるカタチです。
- 背表紙の幅、背幅は5ミリ以上で、文字を乗せるなどのデザインができるようになります。
- 背表紙がある「平とじ(無線とじ)」という作り方の本は、ある程度の厚みがでます。
- ホチキスを使わずに本が作られています。
中とじ(中綴じ)
- 背表紙がないのは「中とじ」という作り方の本。
- 真ん中を折ってホチキスどめで本が作られています。
- 作れるページ数に制限があります(ホチキスどめできる限界があるため)。
実際の背表紙の作り方は、表紙1-4といっしょにステップ3でお伝えしますね。
天、地、小口


- 写真の⑤の部分が「天(てん)」。
- 写真の⑥の部分が「地(ち)」。
- 写真の⑤の部分が「小口(こぐち)」。
実は、「天、地、小口」を合わせたものぜんぶも「小口」と呼ぶんです。
このときはまとめて「小口」って呼んでます。
紐しおり(スピン)

- 写真⑧の部分が「紐しおり(スピン)」。
何ミリかは、印刷会社や紐しおりの太さなどによって違います。
すごい!
カバー、帯

- 写真⑨の部分が「カバー」。
- 「帯」は「カバー」の縦幅を短くして本に巻いたもの。
本のしくみ─内側

今度は、本の内側について解剖していきます。
同じように、写真に番号をつけて紹介!
表紙2、表紙3
- 表紙(表紙1)の裏側、写真の⑪の部分は「表紙2」
- 裏表紙(表紙4)の裏側、写真の⑫の部分は「表紙3」
本文をはさんで、右側が2、左側が3になる感じ。
遊び紙

同人誌を開いて、本文の前に一枚紙が挟まっていることがあります。
写真の⑬の部分です。
これを「遊び紙」と呼びます。
本文

表紙と遊び紙を除いた、印刷してある部分、写真の⑭の部分をぜんぶまとめて本文と呼びます。
目次とかあとがきとかは、違うんじゃないの?
表紙じゃないのはぜんぶ本文扱い。
具体的な本文の整え方は、ステップ2-8~12で紹介します!
トビラ

トビラは、写真の⑮の部分、本文の最初に題名などを書いてある部分です。
同人誌の「大見出し」にあたります。
目次
本文中に複数の話が入っている場合や章題がつけられている場合。
目次があると読むときに少し便利かもしれない、そんな部分です。

たとえば写真⑯では、作品タイトルがふたつ並べてあります。
奥付
奥付は、場所はどこでもいいけれど、同人誌の中のどこかに必ず記さないといけない部分です。
奥付には、必要な情報と、書いてしまうと危険な情報があります。

図の⑰は少しイレギュラーですが、誰が書いてどこで印刷していつ誰が発行しました、という情報が書いてあります。
本のしくみ─ページ内

今度は、ページの中について見ていきます。
これまでと同じように、写真に番号をつけて紹介します!
タイトル
図の⑱の赤丸は作品タイトルの例。
そのタイトルの文章だけが中にあるなら、書かなくても察してもらえますよね。
余白

余白は図の⑲で示した4ヵ所です。
でないと読めない本になります!
そもそも印刷してもらえない可能性も……
ここに文字があると……
どの部分にどのくらい余白が必要なのかなど、余白についてはステップ2-2、2-3で詳しく解説します。
ページ番号

一例ですが、図⑳の部分にページ番号を振っています。
題名が書いてあるところとか、最後のページとかにもなかったりする。
言ってる意味がぜんぜん分かんない!
ページ番号は、印刷会社がページの順番を間違えて製本しないように、つけてくださいって言ってます。
ページ番号を入れなくても大丈夫な印刷会社は少ないです。
「ないと原稿を受け付けてもらえない」って覚えてくださいね。
ページ番号について、つける場所など詳しくはステップ2-6で解説します!
柱(ハシラ)
柱は、ページ番号のそばにあって、表題や章タイトルなどを書いている部分です。
この図だと、21の部分ですね。

……ということは、なくってもいいよね?
あるとちょっと「なんか小説っぽいな」って自分がにこにこできる……
まとめ
同人誌を作るときに、「本のカタチをしたもの」の各部分の名称、たとえば「表紙」や「本文」などの言葉を知っていると、印刷会社の説明を読み解きやすくなります。
ホームページの内容だけでなく、入稿したあとに直してくださいと連絡があったときなどに、さまざまな「本のカタチをしたもの」の部分の名前が出てきます。
今回紹介したのは、そんな「各部分の名前」とどの部分なのかという基礎知識と、どの部分が必要なのかです。
- 本の外側
- 表紙1-4 … かならずある
- 背表紙 … 中とじの本にはない
- 天、地、小口 … かならずある
- 紐しおり(スピン)… あってもなくても⭕
- カバー、帯 … あってもなくても⭕
- 本の内側
- 表紙2、表紙3 … かならずある
- 遊び紙 … あってもなくても⭕
- 本文 … かならずある
- トビラ … あってもなくても⭕
- 目次 … あってもなくても⭕
- 奥付 … 必要!
- ページ内
- タイトル … あってもなくても⭕
- 余白 … 必要!
- ページ番号 … 必要!
- 柱(ハシラ)… あってもなくても⭕
話が理解できると、自信をもって作業ができるようになりますね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。