Webで書いた自分の文章を縦書きにしてプリントアウトしてみたら、なんだか読みにくい。
そんな経験はありませんか?
でもね。
そのために、「あるようなないような」、たっぷり例外つきのルールの一部をお伝えします。
今回分かること
文章の書き方の基本
記号の使い方の基本
読みやすく練りあげた文章を、最後まで楽しく読んでもらえたら、うれしいですね!
文章の書き方の基本

WebにはWebにあった書き方、手紙には手紙にあった書き方があるように、「小説の本」にも小説の本にあった書き方があります。
「こうしたら読みやすいよね」と決められたルールで、一般社会に流通している、いわゆる商業小説は書かれていることが多いです。
同人小説にルールはない
同人小説にルールはないけど、社会に流通している本のルールに沿えば、読みやすくなります。
これからお伝えするのはあくまでも「一般の商業小説の多くでは」というお話になります。
同人小説にルールはない、でも、できたら読みやすい同人誌を作りたい。
そんな「どうしたらいいか分からない」気持ちへの、アンサーです。
いくつかのルールを抜粋して紹介します。
読みやすいといわれるポイント
読みやすい「小説の本」がどんなふうに「まとまっているか」。
ここで紹介するのは2点です。
- 文体を統一する
- 段落冒頭の一字下げ
どういうふうにすることなのか、みていきましょう。
文体を統一する
- です・ます(敬体・丁寧体)
- ある・だ(常体・普通体)
どちらで書いても間違いではありません。
挑戦したらいいなと思うのは、全体的に文体を揃えること(セリフは除く)。
段落冒頭一字下げ
一字下げは全角下がりとも言われます。
Webだと一字下げは珍しいですね。
例えば小説でWebと同じように「段落変更ごとに1行空け」ていたら、すごく見た目がスカスカな印象になるかもしれないです。
文字の話
文字の使い方、記号の使い方について、ここでは簡単に紹介します。
いっつもなんとなーく使ってる。
漢字とひらがなの割合
読みやすいといわれる割合=漢字3:ひらがな7
ベストセラーの漢字とひらがなの割合=漢字2:ひらがな8
ひらがなでも分かるなと思ったら、漢字をひらいてみましょう!
送り仮名を揃える
内閣告示:送り仮名の付け方(文化庁)
ルールがあるなんて。
たとえば「あらわす」の場合。
文章の中で「あらわす、表わす、表す」の3種類が混在しないように気をつけたら、読んでいて引っかかりにくいです。
ポイント
- 送り仮名をそろえる
- ひらいた漢字はひらいて統一する
ルールはあるけど、深く考えずに「そろってたら読みやすいかも!」くらいに考えるといいと思います。
数字を揃える(漢数字とアラビア数字)
アラビア数字は「2桁の場合『縦中横』(※)にする」ルールがあります。
(※)縦中横(たてちゅうよこ)
- 縦書きの中に半角の数字やアルファベットを(「XY」と)横並びに組んで組み込むこと。
- 文字のレイアウト設定のひとつ。
- 見栄えを良くし、読みやすくする目的で使用。
(※)漢数字(かんすうじ)
- 一、十、百、千、万など、数字を表す漢字のこと。
- 俗字で「〇」も使用可能。
- 壱、弐、参、肆、伍、陸、漆、捌、玖、拾という書き換え防止のための文字もある。
「約物」って何?

約物(※)とは記号のことです。
(※)約物(やくもの)
- 文章で使用される、文字や数字以外の記号。
- 発音はされない。
- 文字では表現しきれないことを表現する役割。
句読点
句読点とは、「句点(。)」「読点(、)」をまとめて呼ぶ言葉です。
縦書きでは、文章の区切りに、句読点(「、」「。」)を使います。
句読点は行頭にこないというルールがあります。
ワープロソフトでは「禁則処理(※)」されがちなので気付かないかもしれません。
(※)禁則処理(きんそくしょり)
- 組版(印刷する際に文字を並べること)をする際に「やってはいけない」文字の並べ方を調整して処理すること。
- 禁則処理される文字を「禁則文字」と呼ぶ。
他にも、句読点を使っている文章に「コロン(,)」「ピリオド(.)」を混ぜると、やっぱり不自然になります。
混ざらないように注意してみましょう。
カギカッコ
カギカッコの中にカギカッコを入れたい場合は、原則二重カギカッコを使うルールがあります。
カギカッコの種類
- 「:始めカギカッコ
- 」:終わりカギカッコ
- 『:始め二重カギカッコ
- 』:終わり二重カギカッコ
始めカッコ類は、行末に置きません。
終わりカッコ類は、行頭に置きません。
これもワープロソフトでは禁則処理されるので、気が付かないかもしれませんね。
他にも、電話越しの相手の声などを表現するのに『』(二重カギカッコ)を使って分かりやすく表現することがあります。
ダーシ、リーダ
りーだ?
- 「──」:二倍ダーシ(ダッシュ記号)
- 「……」:二倍三点リーダ
そんな名前だったんだ!
「ダーシ」「リーダ」は2個ずつ続けて使います。(二倍ダーシ、二倍リーダ)
2倍のダーシ、2倍のリーダは次の行にまたがらないようにします。
2行にまたがらないように調整処理される文字を、分離禁止文字といいます。
直せるの?
ダーシは「けいせん」で変換すると、文字間を0にしたときに綺麗につながってくれます。
その他
【まとめ】小説の書き方に絶対のルールはない
この記事では、同人小説を読みやすくするための文章のルールを紹介しました。
小説に絶対のルールはありません。
ですが、商業小説の基本を取り入れることで、読み手にとって快適で読みやすい同人誌を届けられます。
- 文体を統一すること:です・ます調、または、だ・である調
- 段落冒頭を一時下げすること
- 漢字とひらがなの割合=3:7
- 送り仮名や表記を統一し、一貫性を持たせること
- 縦書き時に読みやすい数字の表記
- 記号の適切な使い方:句読点、カギカッコ、ダーシ・リーダ、ハテナなど
これらのポイントを意識すると、縦書きで読みやすい文章にブラッシュアップできます。
自分らしい表現を大切にしながら、ぜひ読みやすい同人誌作りに挑戦してみましょう!
乞うご期待!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。